不動産投資のリノベーションは目的を明確にすべし!リノベーション会社を決める時は値段で判断すると危険かも

空室が長期化している物件の大家さんには、管理会社、リノベーション会社、リフォーム会社から、リノベーションの提案をされる場合があります。
でも、どんな基準でどの会社にリノベーションを任せたら良いのか分からないことはありませんか?

今回は賃貸物件専門にリノベーションを活用して空室対策を行う、株式会社ココテラス代表取締役の篠原氏に話を伺ってきました。

株式会社ココテラス 代表取締役 篠原昌志
プロフィール
地元山口県の大学を卒業し、通信会社(現東証一部上場企業)に入社。
中小企業へ通信費のコスト削減型のソリューション営業を経験。
テレアポからの即断即決の新規営業により営業の基礎を学ぶ。
2009年2月(28歳)前職である空室対策に特化したリノベーション会社に入社。
リノベーション事業部に配属され、賃貸経営をしている家主様へ空室対策リノベーションの新規開拓営業を行う。入社2年目に1億円の個人売上をあげトップセールスとなる。
2010年11月(入社1年9カ月)取締役に就任。
2013年東京に転勤し、全国にリノベーションノウハウを提供するFC本部の責任者として全国各地の賃貸物件の空室改善を行う。
2016年12月退職し、2017年1月にココテラスを設立。



大家さんはリノベーション会社を選定する時、どんな点を確認した方が宜しいのでしょうか?

リノベーションを提案する会社は、まず大家さんとお会いし色々とお話を伺います。その際に「この大家さんは賃貸物件に関する工事に関して、多少なりとも知識があるな」と感じた場合には、リノベーションの見積もりの見せ方を工夫する場合があります。

大家さんは、原状回復工事を通じて、クロスやクッションフロアの単価を知っている大家さんが多い場合があります。ですので、リノベーションの見積書を見る際にも、クロスやクッションフロアの単価を見て、この見積もりは「安い、高い」と判断される傾向があります。
※クッションフロアは水に強いので、水回り(トイレや台所に使われる)の原状回復工事に良く使われる

リノベーションを提案する会社は、その様な判断を逆手にとって、敢えてクロスやクッションフロアの単価を低くする場合があります。

例えばクロスを1㎡あたり200円単価を落としたとしても、100㎡クロスを張り替えたとしても2万円程度しか差額は生まれませんので、その他の工事に20,000円を分散して見積もりに上乗せすることによってクロス代はいくらでも安く見せることはできるので、誤った判断をされる大家さんは多くいらっしゃいますね。

原状回復工事の場合には、クロス工事の単価を見て「高い、安い」の判断で良いとは思うのですが、大工工事を伴うリノベーションや設備の交換などが伴う工事の場合には、単価はあまり当てにならないと思いますね。

クロス代は1㎡当たり、地方では600円前後、東京都内ですと1,000円前後であれば適性の範囲内だと思います。もちろんその様な見積書の見せ方をする業者が一概に悪質だということではありません。単純に営業手法としてやっている場合が多いです。



なるほど。では賃貸物件のリノベーションを任せる会社はどんな点で選ぶべきでしょうか?

まず、大家さん自身でも、今回のリノベーション目的を明確にした方が良いと思います。

基本的には大家さんはリノベーションをして、空室を解消したいという目的があると思うのですが、私がリノベーション工事の営業マンとして大家さんに聞いていたのは、リノベーションの目的を必ず確認していました。

大家さんの中にはリノベーションして、「家賃を今よりも高く設定したい」という方もいれば、「家賃はそこそこで良いから、リノベーションの工事費用は極力抑えて、とにかく空室を解消したい」という大家さんもいるんですよね。

オーナーのリノベーションに対する考え方次第で、リノベーションプランは変わってくると思いますので、リノベーションを行う目的をはっきりと明確にした上で、提案してくれるリノベーション会社かどうかは、非常に大事なポイントだと思います。

単純に工事を提案するだけではなく、このリノベーションの工事をすることによって、家賃は大体これくらいとれるという事前準備までしてくる会社は更に良いと思いますね。



リノベーションの目的の話が出てこなかった場合には、どの様に大家さんは対処すべきでしょうか?

正直その様な意識を持ったリノベーション会社さんは少ないと思いますので、大家さんから工事会社に今回のリノベーションの目的を伝えて頂いても良いとは思います。

基本リノベーションしたいと伝えると、見積もりと図面がでてくるのですが、さらにリノベーション後の家賃の査定表と、見込み家賃が取れる具体的根拠を持ってくるかどうかが大事だと思いますね。私も営業マン時代は徹底してやって、他社との差別化をしていたポイントです。
※実際に現地調査をしてる想定家賃の根拠資料を見せて頂きました。リノベーションを施工した結果本当に想定家賃が取れる物件なのかどうかが分かるとのこと。

但し凄い手間暇がかかるので、ここまでやっている会社はほとんど無いと思います。
基本的に工事会社さんがリノベーションをする場合、そもそも工事が受注できれば会社としては売り上げが立つので、家賃が取れるのか、空室が解消されるのかなどは重要視していない場合が多いですね。

弊社では、工事+入居が決まって家賃で回収してもらうということが目的なので、自分が住む用の実需用のリノベーションの場合には、部屋をどれだけ綺麗に工事をするかが大事ですけど、投資用不動産のリノベーションの場合には、入居を決めることが目的なのでそもそも目指している方向性が全然違う場合があります。



まとめ

① リノベーション会社は、見積もりの安い高いで決めると、誤る可能性がある
② リノベーションの目的を明確化する
③ リノベーションの目的に応じた提案をしてくれているか見極める
④ 想定家賃がとれる根拠や調査をしてれくれているか、確認する

賃貸物件のリノベーションを行う上で、会社選びは非常に重要なので、是非参考にしてみて下さい。

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執筆、撮影 石垣

不動産投資用の分譲マンションをリノベーションする際の注意点をリノベのプロに聞いてきました!

こんにちは、賃貸経営ジャーナル編集部です。
分譲マンションを購入して、不動産投資をされている大家さんも数多くいらっしゃるかと思います。今回は分譲マンションをリノベーションする際に大家さんが注意すべきこと、リノベーションのプロの、株式会社ココテラス代表取締役の篠原氏に話を聞いてみました。

株式会社ココテラス 代表取締役 篠原昌志

プロフィール
地元山口県の大学を卒業し、通信会社(現東証一部上場企業)に入社。
中小企業へ通信費のコスト削減型のソリューション営業を経験。
テレアポからの即断即決の新規営業により営業の基礎を学ぶ。
2009年2月(28歳)前職である空室対策に特化したリノベーション会社に入社。
リノベーション事業部に配属され、賃貸経営をしている家主様へ空室対策リノベーションの新規開拓営業を行う。入社2年目に1億円の個人売上をあげトップセールスとなる。
2010年11月(入社1年9カ月)取締役に就任。
2013年東京に転勤し、全国にリノベーションノウハウを提供するFC本部の責任者として全国各地の賃貸物件の空室改善を行う。
2016年12月退職し、2017年1月にココテラスを設立。



分譲マンションを購入してリノベーションを行う場合、一棟マンション、アパートの際に行うリノベーションと違いがあると伺ったのですが、具体的にどの様な点を大家さんは注意すべきなのでしょうか?

分譲マンションの場合には、管理規約が存在し、区分所有者の共同利益を確保することを目的とされる「管理規約」が存在します。その規約の中には、様々な細かいルールが記されており、必ずしも自由にリノベーションができる物件とは限らないことがあります。

なんと! 所有者が自由にリノベーションできない場合もあるのですね。具体的にどの様な場合があるのでしょうか?

例えば、分譲マンションのリノベーションで使用する床の素材を、管理規約で細かく指定されている場合があります。騒音問題のトラブルを避けるために防音効果の高い床材を管理規約で厳しく設定しています。特に防音効果の高い遮音等級がL40やL45が指定される場合がほとんどです。

不動産投資のリノベーションでは、塩ビタイルが多く使われるのですが、分譲マンションのリノベーションでは遮音等級を満たしていませんので、塩ビタイルをそのまま利用することはできません。



分譲物件ならではのリノベーションの違いがあるのですね。その他にも何かありますか?

分譲マンションの工事の場合には、事前に管理組合の許可を取る必要があります。結構忘れている人が多いのですが、管理組合に工事の届け出を申請してから30日~45日間程度を有することが多いですね。その間は工事が一切できないので、家賃収入を得る収益機会を損失してしまうので注意が必要です。

また管理組合に提出する書類の準備にも時間が掛かるので、予め書類の準備も忘れずに行うことも忘れずに行って頂きたいです。

これは裏技になってしまうのですが、分譲マンションを購入と同時にリノベーションを検討されている方は、購入前の前オーナーから管理組合に、工事の申請を事前にしてもう様、依頼してみるのも良いと思います。なるべく機会損失なくリノベーション工事が着工できると思います。

あと分譲マンションをリノベーションする際の大きな問題点として物件の構造上、天井配管だと下の階からの工事が必要なので、購入前に天井配管か床下配管か確認せず、設計しなければ間取りや予算が大幅に狂う事があります。分譲物件のリノベーション工事ではより一層事前の確認は徹底した方が良いと思います。
※天井配管: 1階下の部屋の天井に配管がある。 床下配管: 自分の部屋の床下に配管がある。


なるほど。分譲物件のリノベーションでは気を付けなければいけないことも多いということが分かりました。引き続きリノベーションのプロに話を伺っていきたいと思います。

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執筆、撮影 石垣

リノベーション再販大手「インテリックス」が不動産小口化商品「アセットシェアリング」のTVCMを開始

中古マンション再生流通事業を手掛ける株式会社インテリックス(東京都渋谷区 代表取締役社長山本卓也)は、不動産を小口化した資産商品[アセットシェアリング] のイメージキャラクターの西郷輝彦さんを起用した初のTVCMを制作し、2月1日(水)より放送するとのこと。
同社のCMは三部作となっており、「西郷さんは突然に。優良資産」篇、「西郷さんは突然に。はじめやすい」篇、「西郷さんは突然に。相続」篇の3篇で、オリジナルソングを熱唱するという、インパクトのあるストーリーとなっている。

[アセットシェアリングとは、良質な不動産を、一口100万円単位で5口以上から購入できる不動産小口化商品。